日本人が海外に住むには大事なのは語学力や適応力なんかじゃない

海外に住むには海外移住の準備

カナダに移住して2年以上が経ちました。
2年経った今でも毎日新しい発見ばかりで、プチカルチャーショックを感じています。でも「まあ、そんなもんか」と流せるようになりました。すぐ慣れる。

よく「海外移住には適応力が大事だ!」と聞きます。もちろんその通りだと思いますが、実際のところ適応力はそもそもみんな問題ないと思います。生きるために自然と発揮されるものなので、「私に適応力あるかな?」なんて不安に思う必要はない

ましてや、「海外移住したい!」と自ら臨んでいる人ならそれなりの適応力は持ち合わせているはず。

語学力もぶっちゃけなんとかなります。それなりの語学力がないと生きれないから。ある程度現地のコミュニケーションに困らないレベルであれば、誰もがすぐ到達できるはず。

巷でよく海外移住に大事と言われる「語学力」「適応力」なんて基本中の基本。実際に海外移住すれば誰もが問題なく発揮できるはずです。

大事なのはそこじゃない。

私は、日本人が海外移住に必要なのは「主張する力」だと思います。これは、あってもなくても生きられる力なので、多くの人が発揮しないんです。でも、発揮すると必ずもっと海外生活が豊かになります。

これから海外移住する方々にぜひ知っておいてほしいので、この記事にまとめます。これを知っていると知らないでは、海外生活が大きく変わると思います。

カルチャーショックだらけの海外移住だけど、すぐ慣れる

海外生活は驚きの連続です。例えば、私がカナダで驚いたことはこれ。

  • たばこよりマリファナ推奨の空気感。そしてマリファナ臭すぎ。
  • 荷物の再配達(不在時)をしてくれない。結構遠い倉庫とかに取りに行かなきゃいけないことも。
  • そもそも大雨の日など配達が混み合ってる時は、配達すらしてくれない。自分で集荷場所まで取りに行く必要がある。
  • 基本的に公園などの外で飲酒してはいけない。花見なんて無理。
  • 簡単に専門医(眼科とか皮膚科とか)に診てもらえない。半年とか待つことも。
  • トイレのドアは隙間だらけ。姿が見えてしまいそう。
  • 「折返し連絡しますね!」と言われてもいつまでも連絡が来ない(場合が多い)。
  • 子供を一人にさせてはいけない(鍵っ子なんて無理)。

などなど・・・今思いつくだけでこんな感じです。

最初は驚きますが、こういうのは慣れるものです。自ら臨んで海外移住する方ならなおさら問題なく慣れると思います。

確かにすごくセンシティブな方で「こういうもんか」と思えず精神を患ってしまって日本に帰国される方もいます。でもそういった方は、自分の意思で海外移住していない方がほとんど。例えば、家族に帯同してきたとか、親のすすめで留学しに来たなど。そういった方はフォローが必要ですが、自分の意志で海外移住する人は適応力でクリアすると思います。生きていくために、自然と。

本当に必要なのは「主張する力」

日本人が海外移住するのに一番大切だと思うのが「主張する力」です。

自分がどうしたいのか、何を相手に望むのかをはっきり伝えられる力のこと。
例えば、事前に聞いていた話と違う内容でサービスを受けたり、明らかに失礼な扱いを受けたりしたときに一言指摘できる力です。

自分さえ我慢してしまえば別に生きていくことには問題ないんですよね。だからこの「主張する力」を発揮しない方々が多いと感じます。でも明らかに、主張したほうが海外生活は豊かになります。

日本人は「主張しない」人が多い

特に日本人は比較的謙虚な人が多いので、変に空気読んじゃうというか「自分が我慢すればいっか」とすぐ思ってしまいがちです。給料交渉とかもなかなかできない日本人が多いですね。言えば上がるのに。

これを利用して、「日本人はなにも言ってこないから楽」として日本人向けに劣悪な部屋を貸す大家などがいます。多くの日本人が泣き寝入りしているのを見ます。こういう悪いやつらがいなくなるのが一番だけど、しばらく無理でしょう。私たち側が変わらないといけない。

英語力より、はっきり意思表示することが大事

「英語力がないから主張は無理・・・」と思う方もいるかもしれませんが、英語力より「主張する」こと自体に意味があります。海外では「言われなきゃこっちのもん」感があります。(国によって違うとは思いますが、日本以外はほとんどそんな感じのはず)

実際、昔不当なサービスを受けてびっくりしすぎて日本語で最初に怒ったことがありますが(笑)、そこで相手の空気感が変わりました。もちろんその後はゆっくり英語で話しましたが、相手には私が怒っていることは伝わっているのでちゃんと話を聞いてくれました。

主張したことで1,680ドル(約15万円)得した話

海外は(カナダは)サービスがテキトーです。電話で話して合意した内容と、契約書が違うなんてざら。前任者からの共有がちゃんとされていないこともよくあって、またイチから説明しなきゃいけないなんてこともざら。

日本はそういうところしっかりしていますよね。海外では自分でちゃんと細かいところも確認しないと、「もう1ヶ月経つから契約変更無理だよー!」なんて詐欺まがいのことも起きかねないです。

こんな感じの私の実体験をお話します。

あるとき、インターネット回線を契約したのですが、気づいたら値段が2倍になってた事件です(笑)

インターネット料金が月額140ドル(約13,000円)!?

他社のインターネット回線からの乗り換えだったので、電話で特別価格をオファーしてもらいました。その時の担当者からは、月額70ドルほどで高速インターネット使い放題、ケーブルテレビ付き(カナダは地上波のテレビを見るのに契約が必要)でした。日本だとこれでも高いように見えますが、これはカナダにしてはめちゃくちゃ安い料金。だいたい100ドルはかかるんじゃないかな。

とても安かったのですぐ契約したんですが、後日届いた請求書を見たら・・・140ドル

合意した話と全く違うー!

急いでインターネット会社にメールすると、「うちの部署とは違うから、ここに電話してみて」とのこと。

言われた番号に電話すると、「誰がそんなオファーしたの?よくわからないから、確認して来週折り返すね」とのこと。

しかし、待てど暮せど折返しがない。私が仕事でバタバタしていたこともあって、2週間、1ヶ月と経ってしまいました。

そしてまた140ドルの請求書が届く(笑)

ここで「そういえば!」と思い出して、また電話をしました。

そしたら案の定、「え?何の話?」とのこと。またイチから説明・・・

「確認するから待って!」と言われて、電話口で5分くらい待つ。

ようやく戻ってきたと思ったら、「私ではわかんないや!別の部署につなぐね、バーイ」と、何の部署か聞く間もなくブチッと切り替えられる。

そして違う人につながって、またイチから説明(笑)

やはりまた「誰がオファーしたのか記録がないんだよね〜どうしよう〜」と言われます。

ここで私ブチギレ。(とはいっても、落ち着いて)

「誰がオファーしたかわからないなんて、あなたの会社の問題でしょ。私は電話で聞いた金額がよかったし、その方の電話対応が素晴らしかったから合意したの。オファーされた時の会話は普通録音されて記録に残っているはずじゃない?」

そう言った途端、「誰がオファーしたかわからないけど、ディスカウントするね!月額70ドルね!」とすぐ言われました(笑)

録音されてるかどうかはわからないまま言ったけど、実際録音されてるんですかね。言ってみてよかった。

そしてようやく、2年契約で月額140ドル→70ドルに変わりました。
つまり、差額70ドル*24ヶ月 = 1,680ドル(約15万円)を無駄に払わずに済んだということ。結構でかい金額。

一連の交渉にかかった時間は、1時間半くらい!

これだけ見ると長時間で面倒だし、慣れない英語で戦ったので気疲れもすごいです。でも1時間半で15万円を取り戻したと思うと、交渉し続けてよかった!

はっきり主張するか、あきらめるか

この話を旦那にしたところ、「俺だったらもう一回目の電話であきらめてるわ・・・英語で交渉は厳しいし、金払っちゃえばいいやって思っちゃう」と言われました。

たしかに、私もたらい回しにされていた時はあきらめかけました。
でもちゃんと言わないと、本来、別のことにも使える大事なお金を無駄に払うことになるし、このもやもやが残ったまま生活していくのは嫌だと思ったんです。

カナダ生活では、こうやって自分の考えや要望を主張する場面がすごく多いです。日本では「当たり前に相手が気づいてやってくれるだろう」ということが通用しないし、こちらから言わないと何も変わりません。

でも、一度主張すればちゃんと聞いてくれるのも事実です。別に相手は嫌な気持ちになるわけでもないです。「あぁ、そうなんだ」と気づくきっかけなだけ。日本人だと相手が面食らっちゃうのかもしれないですが、そういうのはあまりないです。

もちろん言い方は工夫が必要ですよ。単に文句っぽく言うんじゃなくて、「こういう理由があるから、ぜひお願いしたい」とか、「インターネット回線はクオリティーがよくてぜひ使いたいのだけど、料金の部分だけ約束が違うから見直してほしい」とか。相手が「なんとかしてあげよう」と思うような伝え方も大事です。

さいごに

「主張すること」は日本ではなかなか教育されないものなので、できない人が多いんだと思います。逆に言うと、カナダやアメリカだと主張するのが当たり前なので、そこに甘んじている部分がある気がする。「何かあれば客側が言ってくるだろう」というような。

私も昔は主張が苦手だったので、ぐっと我慢することもよくありました。でも、いい意味で図太くなったと言うか、はっきり自分の意見を伝えるようになってから海外生活が好転するようになりました。

自分が我慢するんじゃなくて、ちゃんと相手にやってほしいことを伝える。

こういう主張する力がないと、生きてくこと自体はできますが、徐々に無駄やストレスが積み重なっていきます。長く楽しく海外生活をしたいという方は、遠慮せずに主張する、その心構えをぜひ持っておくと生活がより充実しますよ。

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