アラサー夫婦が海外移住を決めた理由とやってみたリアルな感想

バンクーバー海外移住の準備

アラサー日本人夫婦で海外(カナダのバンクーバー)に移住して3年以上経ちました。早い! 移住後すぐにコロナパンデミック到来、旦那の会社が閉鎖、転職活動、妊娠しカナダで出産、子育てしながらの仕事復帰、永住権申請、、、いろんなことがありました。

最近、夫婦で海外移住を考えている方が増えているらしくご相談いただくことがあり。海外移住してどうだったかを振り返りたいと思います。

結論、現地での生活は想像の何倍も大変だけど、夫婦で海外移住してよかった!と思っています。

夫婦で海外移住しようか迷っている方の参考になるとうれしいです。

よくある質問に答える形でお話ししていきます!

夫婦で海外カナダに移住を決めた理由

まずは簡単に経緯から。

正直、私たちの場合は「とりあえず行ってみよう」と軽く決めました(汗)

移住したのは私が29歳、旦那が31歳のタイミング。お互い仕事で忙しくてバタバタでしたが、前々から「海外に住みたいね」という話はしていました。

理由は色々あるんですが、

  • 身軽なDINKSのうちに厳しい環境に身を置いてチャレンジしたかった
  • 日本だけに住み続けることに違和感があった
  • マーケティングの最前線と言われる北米に住んでみたかった
  • AIが発展していると言われるカナダに住んでみたかった

などなど。

ワーホリビザは簡単に取れてどこでも働ける最強ビザなのでとりたかったんです。年齢的にギリギリのタイミングでワーホリビザがとれて渡航を決めました。ビザが下りてからは渡航期限までの1年をじっくり使って準備しました。

2018年 夫婦でワーホリビザ申請
2019年 夫婦でカナダ移住、夫は現地企業で妻はリモートで仕事スタート
2020年 パンデミック到来
2021年 夫の会社閉鎖、転職活動1ヶ月で仕事を見つける
2022年 カナダで第一子出産
2023年 永住権申請

 

妻SHIHO

移住時の年齢:29歳
移住前の仕事:企業勤めWebマーケター
移住後の仕事:フリーランスWebマーケター
英語力:中の下くらい?学生時代に1年間海外留学していたので全盛期にはTOEIC900点取得も、その後10年近く使わないのできれいさっぱり忘却。

 

夫TOSHI

移住時の年齢:31歳
移住前の仕事:SIerエンジニア
移住後の仕事:Webエンジニア
英語力:簡単な挨拶ができる初級レベル。

ここからよくいただく質問に答えていきます!

夫婦で海外移住してよかったと思うことは?

新しい環境に慣れずに大変な思いをしていても、そばに一番の味方がいるので心強いです。

海外生活はハードルばかり。「お湯が出ない」「テレビが契約できない」とか小さなことかもしれないですが、何でも2人で知恵を絞って解決できるんです。

さらに私たちは渡航してすぐコロナ禍になったので、他の人となかなかコミュニケーションが取れない状態でした。本当に2人で一緒にいってよかったです。

海外で2人一緒に同じものを見て、同じタイミングで感じて、文化を体験できることもよかったなと思います。バンクーバーでは良いカルチャーショックも本当にショッキングなカルチャーショックもあります。それを一緒に肌で感じて共有できるからこそ、一緒に価値観が広がるというか視野が広がるというか。これまで一度も話し合ってこなかったことでも、毎日が新しい発見の海外だからこそ、夫婦でお互いの価値観を共有し合うことが多くなった気がします。それでチームワークがよくなるというか、個人的にそれで結束が強まったような気がします。

カナダに移住して良かったことは?

だいぶストレスフリーになったこと。

バンクーバーは程よく田舎で、公園の中に街があるような美しさがあってとても好き!東京生活でつらかった花粉症や咳喘息は軽減したし、ちょっと家の周りを散歩するだけで心が癒されます。

東京で働いていた頃は毎日仕事でいっぱいいっぱい、という感じでしたがだいぶ自由時間が増えました。

あとは、地味に投資がやりやすいとか(笑)

シンプルに日本と比べると預金金利が高めだったり、配当が高めだったり。日本のNISAやiDecoみたいなものがあって、投資利益に対して税金がかからなかったり投資分を差し引いてその年の所得税を抑えられたり。

あと日本で仮想通貨をやろうとすると税計算が色々と面倒ですが、カナダの場合は利益にかかる課税は総所得に対して、そして損失があった場合は50%まで税申告可能です。そういった面でも日本より投資がやりやすいといえます。

夫婦で海外移住したからこそ大変なことは?

まじで頑張らないと英語力上がらないです!

夫婦同士は日本語になるので、国際結婚とかルームシェアとかより英語に触れる機会が圧倒的に少なくなります。何度か「英語習得のために離れて暮らしてみようかな…」と思ったことも(笑)

移住の手続き、何が一番大変だった?

もう記憶がないくらい別に大変なことはなかったです。役所系の手続きとかはめんどうだけど1日くらいで終わるし。

しいて言えば、現地での家探しが大変だったかな。特にバンクーバーは家不足で競争が激しいし、空室の情報が出ても数分で何十件も問い合わせがくるという状態で。

ルームシェアなら結構見つかるかもだけど、夫婦二人のプライベートな家探しはなかなか難しかった。1年だけのワーホリビザだから、という理由で内見すらいけないこともありました。

でももうこれは、空室情報のリスティングサイトを1日中見張るしかない!

家探しについてまとめた記事があるので、よければそちらもご覧ください。

完全プライベートな部屋に住みたい!夫婦でバンクーバー家探しのコツ
バンクーバーに来て最初に困ったのがこの「家探し」!夫婦で来ているのでできるだけプライベートは確保したい。しかし希望の物件を見つけられないどころか、違法に近い物件をつかまされたり詐欺に遭いそうになったり。バンクーバーの家探しのコツについてお話ししたいと思います。

年収ってぶっちゃけ上がった?下がった?

夫婦の年収は、最初の年は200万円くらい下がりましたね。

でもそれは想定していたので、渡航前にとにかく貯金しまくって数年は大丈夫な状態にしました。でもバンクーバーの物価がすさまじく高すぎて、体感年収400万円くらい下がった感じ(笑)

とはいっても私はフリーランスで仕事を増やすほど収入は高くできるし、旦那はエンジニアで仕事は見つかりやすい方だし、年収を高くしようと思えばできると思います。

それより夫婦ともにチャレンジングな期間にしたかったので、年収より優先していることがあるという感じです。しかし、貯金が少なくなってきたからそろそろ本気出さねば…(笑)

日本で働いていた会社には何て伝えたの?揉めなかった?

揉め…てはないと思います(笑)

でも、私はその時大きなプロジェクトの責任者を任されていたので、「今抜けられたら困る」的なことは言われました。でもビザの渡航期限があってもう行かないといけなかったのです。。。

ということで、プロジェクト中にカナダに渡航して現地で1ヶ月くらいリモートで働いて、プロジェクト集大成の時に日本に一時帰国して1ヶ月ちょっと一人で日本にいました。終わったら退職して再度カナダ渡航。

税金とか保険の関係で形上は退職となりましたが、ありがたいことに今でも引き続きお仕事いただいてリモートで働いている状態です。

旦那は超絶忙しい部署だったので、「カナダに行く」と言ったらチームに嫌な顔はされたらしい(笑)

でも、上司経由で元執行役員の方がバンクーバーで会社をやっているということでご紹介いただき、そこで働かせていただくことに。夫婦共に周りの方にサポートいただいたカナダ移住なんです。

やめるのに揉めたわけではないけど、今思うともう少し早めに伝えておいてもよかったかなと思います。たしかやめる2-3ヶ月前だったけど、半年とかあればプロジェクトの体制ももっと考えられるし。

カナダでの仕事はどうやって見つけたの?

前述の通り、私はフリーランス。旦那は紹介で見つけました。

日本の家族は何て言ってるの?

「好きにしいや」と言われています(笑)

寂しそうにはしていましたけど、応援してくれています。コロナになってみんな感じたかもしれないですが、会える時に会っておくのが大事!定期的にテレビ電話したりメッセージ送ったり、年に一回くらい日本に一時帰国したり。意識的にコミュニケーションとるようにしています。

海外で妊娠・出産ってどうなの?

私は日本で経験したことがないので比較はできませんが、カナダで妊娠出産して良かったと思います!

何よりも、子供に国籍の選択肢を与えられたこと。日本とカナダの国籍を持てて自分の生活拠点を国レベルで選べるのはなかなかないことだと思います。私たちはワークビザ、永住権とヒーヒーしながら取ろうと必死なのに、赤ん坊は現地で生まれただけで簡単に国籍とれたんです、うらやましい(笑)

あと、出産はカナダでは全て無料だったこと!1ドルもかからず無痛分娩もできました。

そしてそして大事なのは、カナダは子供が育てやすい!国による助成金の制度とかは、まぁ日本よりちょっといいかなくらいなんですが、雰囲気が全然違う。

例えば、ベビーカーのままバスや電車は乗るのは普通だし、子供連れだとドアを開けてくれたり座席を譲ってくれたりは当たり前。子供がちょっと道路に近づくと、かばうようにして「道路は危ないよ」と見知らぬ人なのにちゃんと注意してくれるんです。

みんな子供にフレンドリーで、道を歩いていると「ハーイ!」とよく声をかけられます。自転車で走ってる人から遠くから「超かわいいね!」って言われた時はびっくりした(笑)

というのも、子供が生後4ヶ月のときに日本に一時帰国した時に私は絶望しました。日本の(東京の)人たちの子供への冷たさに!!!(笑)電車の中では一度も席譲られなかったし、ベビーカーゾーンに突っ立ってゲームしてるおじさんいた、、日本で赤ん坊育てられる気がしない。。。

子供が小さいうちは特にカナダの方が私はいいと思っています。

カナダ在住で子育てしてる人に聞くと、みんな「こっちでは子供がのびのびしてるよ」と言っているので子育て環境はカナダはいいんじゃないかなと思います。教育レベル的には日本が良いとか他の要素はあるかもしれないけど。

移住前に日本でやっておけばよかったと思うことはある?

資金を貯める、ドル建てで(笑)移住前にやってたら資産増えてたなあ。

まあこれは冗談で、基本はやっておけばよかったというものはない。移住した後でも全然問題ない。人間、必要になってからじゃないと本気出してやらない生き物だし。

ただ、リモートで働こうと思っている人は人とのつながりを作っておくこと。カナダはコネ社会だし、フリーランスもコネが大事。今やっている仕事を一生懸命真摯にやって信頼を得る、会いたいと思った人には積極的に会う。というのはやっておいて損はないと思います。

カナダ生活で困ったことは?

病気になった時は超ハード!バンクーバーは深刻な医師不足。日本のように簡単に医師に会えません。特に耳鼻科や皮膚科などの専門医に直接会うことはできず紹介状がないとだめです。なので、具合が悪くなった当日に医師に会えないことはざらにあるし、専門医に会うまで数週間・数ヶ月かかることも。

ちなみに医師に診てもらうためには、一般的に大きく3つの方法があります。

  • かかりつけ医(ファミリードクター)をもつ
  • ウォークインクリニック/ アージェントプライマリーケアクリニックに行く
  • エマージェンシー(救急)に行く

ファミリードクターは空きがある場合受け入れてくれますが、あまりないのでファミリードクターがいない人も多いです。うちの場合は、赤ん坊が生まれたので優先的にアサインしてもらえました。でも、うちのファミリードクターも予約が必要で結構埋まってるのでよほど緊急じゃないと当日は見てもらえません。

ウォークインクリニックは日本のようにその日にさくっといける病院です。でも、医師不足とかコロナ禍ということもあってか最近ウォークインクリニック激減した気がする。あっても予約で埋まってることも。

アージェントプライマリーケアクリニック(UPCC)はバンクーバーに点在していて、ウォークインみたいなもので当日予約なしで行けるところ。でも朝早く行かないとかなり待ちます。朝イチで行って先頭から2番目とかなのに帰るまで3時間かかることも。大病院のように設備が揃っててなんでもそこで検査できるのは良い点。

そして超緊急だったら総合病院にあるエマージェンシー(救急)という手もありますが、これも何時間も待ちます。タイミングが悪いと6時間とか。

こんなかんじでカナダで病気になると大変。健康に気を使うようになったかも(笑)

さいごに

海外移住は大きな決断ですよね。ましてや夫婦で一緒にはなかなか聞かないケース。

でも何でも意外と何とかなるし、日本では経験できないようなことが(楽しいことも大変なことも)日常的に経験できるのは価値が高いと思います。

特に20代30代はまだまだ勉強のとき。移住してから「やっぱり日本だな」と思えばそれはそれで大きな収穫だし後戻りはできるケースが多いはずです。たくさん経験値をためる場として海外移住は一つの選択肢なのではと思います。

もし他に質問があればぜひコメントやお問い合わせください〜!

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