海外移住するなら年金の支払いはストップしたほうがお得でおすすめ!

海外移住 年金海外移住の準備

海外移住する場合、年金保険料の支払いはどうすればいいか悩みますよね。

将来のことを考えると支払い続けたほうがいいのか、それとも止めたほうがいいのか。

徹底的に調べた結果、

「海外に1年以上滞在するなら、年金の支払いは止めたほうがいい」

という答えにたどり着きました。

今回はなぜそう考えたのか、年金の支払いを止めるためにはどうすれば良いかを説明していきます。これから海外移住を考えている方の参考になるとうれしいです。

※年金の支払額や受給額は人によって変わります。この記事で紹介する内容はあくまで一例ですのでご了承ください。

1.海外に1年以上滞在する人は、日本の年金を支払う義務なし

海外移住すると年金を支払わなくて良い

まずルールとして、1年以上海外へ移住する場合は日本の年金保険料を支払う必要はありません

日本年金機構のサイトにも以下のように書かれています。

“海外に居住する場合は、国民年金の加入資格を喪失します。
手続きは、お住まいの市区役所・町村役場国民年金担当窓口で必ず行ってください。”

(年金の制度や仕組み、保険料に関するもの/日本国外・国内へ出入国する方へ 国民年金の手続きが必要です!!より)

ここで書かれている「手続き」とは、1年以上海外へ渡航する場合に提出する「海外転出届」と、年金の支払いを免除するための「国民年金被保険者関係届書」のことです。

この2つの書類を届け出ることで、海外での保険料支払いが免除されるのです。

2.海外滞在中に年金を払ってなくても、年金の受給資格は消えない

年金の受給資格は消えない

「でも海外滞在中に年金を支払わなかったら、将来受給できなくなっちゃうんじゃない?」

と、不安になる人もいると思います。

基本的に年金は、国民年金の加入期間が10年以上あれば受給できます。

加入期間が10年以上あれば受給できる

(老齢年金/日本年金機構より)

さらに日本国籍の人は、海外移住して年金を払っていない期間も、加入期間に加算することができるのです。つまり、日本で年金の加入が9年だとしても、そのあと海外で1年過ごした分も日本国籍であれば加算されるということです。

海外移住しても年金受給できる

(日本年金機構海外に在住する日本人は、国民年金に任意加入しないと、将来日本の老齢年金を受けられなくなってしまうのですか。/日本年金機構より)

海外移住しても受給資格がなくなることは、ほぼないということですね。日本に本帰国すれば、将来国民年金を受給できるということになります。(ただし、支払い金額によって受給額が変わります。次章で説明します。)

ちなみに、自分の加入期間を調べたいときは日本年金機構に問い合わせれば教えてくれます。

3. 将来的に支給額年2万円減額されるけど、年金はとめたほうがいい

将来の受給額は減る

将来、年金として受け取る金額はそれまで支払った金額によって変わります。人によってもらえる額が全然違うんですよね。

つまり海外滞在中に支払っていない保険料分は、年金受給額から減額されるので覚えておいてください。

一体どれぐらい減額されるの?

1年保険料を支払わなかったら、年額2万円減額された年金を一生涯受給し続けることになります。

未納期間があれば年金が減額される

(知ってトクする国民年金!/岸和田市公式ウェブサイトより)

「絶対に減額はイヤ!」という人は、国民年金に任意加入するという方法もあります。

海外移住後も国民年金へ任意的に加入することで、日本にいる時のように保険料を払い続けることができるという制度ですが、私は任意加入していませんし正直オススメもしません

無理に年金を払わなくてもいいと思う理由

例えば1年間海外移住した場合、日本の年金保険料は年額約20万円です。

65歳から年金受給となると、20万円を回収できるのは10年後の75歳になります。

現状の年金制度が続けば元が取れなくもないようにも思えますが、昨今の日本の年金制度は受給額が引き下げられたり、受給年齢が引き上げられたりと不安定な状態ですよね。

ちなみに、厚生労働省年金局と日本年金機構の資料によると、2008年から2022年にかけて年1万5,000円ほど年金額が減少しています(厚生労働省:平成20年度の年金額について/令和4年4月分からの年金額等について)。

今後も、支払いに対して得られる恩恵は小さくなると考えられます。

また、海外移住すると基本的に現地の年金に加入する必要があるので、任意加入する場合は二重で支払いが発生します。

私はカナダで月2〜3万円ほど年金を納付してます(カナダの厚生年金のようなもの。国民年金は全員支払いなし)が、日本の保険料(令和4年の国民年金保険料は月1万6590円/日本年金機構より)も納めるとなると、月5万円にもなる出費です。

そこまでの金額を払うのであれば、不確実な年金より自分で資産運用した方がリターンが大きいと思ってしまいます。

例えば、保険料で払う予定だった20万円分を米国株式へ投資して年利3%で運用すると・・・

複利計算1

複利計算2

40年で65万円まで増えます!

もしこれを年金で回収しようとすると、100歳以上は生きないと無理。

日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳(令和2年簡易生命表の概況/厚生労働省より)なので、資産運用の方が良い結果を得られる可能性が高いと私は思います。

もしくは、知識や経験を得るために20万円を自己投資に充てるのも良いと思います。
40年後に返ってくる少しのお金より、将来的な価値がずっとありますから。

4.海外移住前に年金を止める手続きをしよう

年金支払いを止める方法

年金の支払いをストップさせるには、2つの届出を書く必要があります。どちらも役所で手続きできて、書類を書くだけなので簡単に行えます。

しかし、私は海外移住前にすっかり手続きをし損ねました(笑)

海外転出届を出せば自然と年金からはずれると思っていたんですよね。でも実は年金の部署に別途出向いて手続きが必要でした。(役所はほんと縦割り・・・)

海外に到着してから役所から実家に書類が届いて発覚。年金を止めるための書類をカナダから送ったり何度も年金の部署と電話でやりとりしたりと大変でした。今後移住予定がある人は必ず渡航前に手続きしましょう。

4-1.渡航2週間前に戸籍住民課で海外転出(住民異動)届を提出しよう

海外転出届は出国の14日前から提出できますが、自治体によっては1ヶ月前から受け付けているところもあります。

まず、下画像の住民異動届戸籍住民課に提出します。

海外転出(住民異動)届海外転出(住民異動)届

提出する際は以下が併せて必要な場合もあるので、各自治体のサイトを確認してください。

足立区役所参照

・印鑑登録証(登録している場合)
・国民健康保険証、介護保険証、(乳)医療証、(子)医療証等(保険証、医療証をお持ちの方)
・本人確認資料(本人または代理人本人であることを証明できるもの)
・マイナンバーカード(個人番号カード)または通知カード(国外への転出の場合のみ)
・委任状(代理人による申請の場合)

4-2.年金課で資格喪失手続きをしよう(国民年金被保険者関係届書を書こう)

海外転出届を提出したら、国民年金被保険者関係届書を記入し国民年金課に提出します。

フォーマットは日本年金機構のサイトからダウンロードできます。

国民年金被保険者関係届書

国民年金被保険者関係届書

基礎年金番号を記入する必要がありますが、分からない場合は年金手帳で確認してください。

海外移住して年金を支払わない場合は「4」の資格喪失届になり、理由は「11」の外国への転出を選びます。

国民年金被保険者関係届書の書き方

海外転出届・国民年金被保険者関係届書ともに提出したら、年金の支払い免除手続きは完了です。

さいごに

私的には、1年以上海外に渡航する方なら年金は止めたほうがいいかと思います!

年金を止めるための手続きは簡単なので、しっかり行ってから渡航してくださいね。

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